日曜の午後、うだうだと昼風呂に入って白髪染め。
ヘナを使うので独特の漢方薬くさい中、染まるのを待って、湯船でぼけ〜。
気づくと1時間半ぐらい経過していた。
昨日、年若い友人の葬儀から帰ってきて以来、脱力気味。
あまりにも突然の訃報だったので感情が半信半疑→残念無念→緊張多弁→脱力呆然のコースをたどっている。
昨日は妙にテンションあがりっぱなしの「緊張多弁」段階で、お別れ会の席でしゃべりまくっていた。静かに別れを惜しみたい友人もいただろうに、やたらツッコンで邪魔してしまった。ごめんよ>関係各位。
一夜明けた今日は、遅れてやってきた寂しさとやりきれなさに手一杯な感じ。
葬儀で久々に会った知り合いから「白髪増えたね」と言われ、あーあと思って染めてる私なのだが、白髪が増えるのは老化の印、老化ってのは裏返せば生きてる証。
39歳の若さで年を取ることをやめてしまった彼女は、もう白髪に悩まされることもない。急性白血病で入院して2週間足らず、病にやつれることもなく、彼女は本当に美しいまま、あっちの世界へ行ってしまった。
数年前、白髪染めにはヘアマニキュアがいいか染毛がいいか、彼女と話したことがあったな。藤原紀香に似た美貌の彼女は、ヘアマニキュアがよいのよ、と主張していた。
そんな、どうでもいい話をなぜ覚えているんだろう。
日常的な1日1日は、そういうどうでもいいことの積み重ねで成り立っているわけだから。
非日常に行ってしまった彼女を思い出すとき、そんな小さなあれこれが急に意味を持ち始める。
人一倍いや100倍ぐらいアクティブで、手帳は毎日予定で埋まっていないとイヤ、という人だった。
「週末に予定なくて家でぼけっと過ごす?えーありえなーい」
ホントにそう言われたことあるもん。
料理も掃除も仕事も何でも、たったと手早かった。
「短かったけど人の何倍も楽しんで充実した人生だったよね、きっと」と言って、後に残された人たちは納得しようとする。
でもそれは詭弁だ。
むっちゃトロくさくて無精な私だって、きっと今死んだら、こう言われるだろう。
「結婚も2回したんだし、きっと人の2倍は濃い人生だったよね」。
それはある意味当たっているけど、やっぱり「おいおい、それだけで済ませないでくれよー」というキモチはどこかにある。きっと彼女も「まだまだやりたいこといーっぱいあったわよ」と、どこかでスネてるかもね。
彼女のことを思って、あちこちでいろんな人が、空を見上げたり、パソコンに向かったり、本を読む手を止めたりしながら、今もため息をついているに違いない。ため息の数は時が経つにつれ少なくはなっていくけど、決してゼロにはならない。
コドモは残さなかった彼女だけど、元気で華やかで活動的で、いろんな世界を持っていて、人と人をつなぐ「ハブ」のような存在だった彼女のまわりには、たくさんの人の輪が残った。その輪が続く限り、ため息はゼロにならず、彼女が生きたという証拠はきっちりと記憶され、良好に保存される。大停電になってサーバーがクラッシュしても、人の中のアナログメモリが壊れることはない。
茶色く染まった(元)白髪をぼんやりいじりながら、そんなことを考えていると、もう夜だ。。
生きている私たちはまた1日分、老いていき、ため息をつきながらも仕事に戻って、何てことない普通という貴重な1日を過ごすんだな。
土曜の暑い暑い午後が過ぎ、やっと日差しも和らいだ(気がする)午後5時半、ぽんが呟いた。「立川でラーメン食べたいねえ」
何でも前日の夜に荻窪で味噌ラーメンを食したところ大変胃がもたれたので、味噌ラーメン系でリベンジを果たしたいのだそうな。
よしっ!それなら自転車で行きましょうぜい!
しかしながら、この提案は「即却下」が予想されたため、まずはラーメンのカロリーを説明することにした。標準的なラーメンのカロリー700kcal超、ぽんダイエットするとか言ってたよねえ? おなかいっぱい食べたいなら自転車で行こうよ〜。JRで行っても乗り換えとかで30分は軽くかかるから、時間そんなに変わらないよー。
珍しいことに、ぽんが渋々ながらもOKを出した。暑さで思考能力が80%ぐらい失われていたのかもしれない。わーい、珍しく夫婦ポタができるわ〜と、私は大はしゃぎ(娘のっちは貴重な部活休みで夏休みの宿題に専念しており、早々と行かない宣言したのである。実際は親のいぬ間に休憩しようという魂胆ミエミエだが)。
国立駅前から伸びる大学通りまでは、会社が分倍河原にあったときに裏道を開拓済み。そこからまっすぐ西に向かい、南武線を越えたら北上、という大雑把〜なプランを立て、いざ出発と相成った。
夕暮れのこと「西」へ向かう旅は方角を間違う心配もなく坂もなく、ちょっとコンビニに寄ったりしても40分ほどで立川駅前に到着。ほら、すぐでしょっ? ぽんは「暑い、遠い〜」と少々バテた様子。あーん、ごめんよ、日が暮れても暑いもんね、おまけにアタシはよく走る虎だけど、ぽんはママチャリだもんね〜。
(でもそのママチャリでも20kmぐらいまでは大丈夫…と身を持って体験済みのワタシです)
駅ビルのひとつGRANDUO地下の駐輪場に自転車を停め、AREAREAの3階にある「ラーメンスクエア」へ。
ワンフロアにラーメン屋7店が集結した「ビル内屋台街」。店を選ぶのも目移りして大変。ワタシが前の職場の帰りにたまに寄ってたお気に入りのお店は違う店になっていてがっかり。ココは初めてというぽんに選択権を委ね「我門」に入ることにした。
ぽん:えび味噌ラーメン
midora:塩ラーメン
+オプション:ギョウザ、温玉ごはん
+AREAREA前でもらったサービス券で「ジョッキ麦茶」2杯
おなかいっぱい、ごちそーさんでした!
帰り道は途中から違う道を通って帰宅。ちょっと間違えて往路と同じく8km弱となったが、立川まで最短ルートだと7.2km弱と判明した。
予想外に近いやん、また行こうねえ!ウフフんとぽんに微笑みかけるワタシだったが、ぽんの答えは「やだ、もー2度と行かない」とツレない。がーん。
かくして夫婦ポタの夢は一度きりで儚くも消えたのであった〜。
前日、仕事の都合で自転車を永山の駐車場に置いて帰ったので、8/3(木)は
懸案の<永山〜若葉台>ルートを開拓しがてら、帰宅することにした。
若葉台までたどり着ければ、あと黒川までのルートは既知なので省略できるという算段。
フル自転車通勤のために、どうしても乗り越えなきゃいけない関門が、この<永山〜若葉台>区間なのだ。
●ママチャリの「担ぎ」は重いのだ
永山はご存知多摩ニュータウンの一角。「人車分離」が大原則の街である。
団地の中の遊歩道は橋となって車道の頭上を通っている。
私の当初の作戦は、この遊歩道をつないで高度を稼ごうというものだった。
だがしかし!! 永山駅から出発したため目指す遊歩道に行き着く前にアップダウンに遭遇することになり、今回に限っては作戦失敗であった。
推定25kgのママチャリを担いで歩道橋を昇り降りすること計3回。すっかりくたびれ果て、若葉台へ着くと、あたりは薄暗くなっていた。ちゃんと通勤ルート通りなら、スロープを利用できるので問題ないはず、というのが私の楽観的予測である(スロープの場所は確認済み)。
ママチャリ担ぎの甲斐あって、馬引沢南公園から多摩東公園に歩道橋で渡り、続く「弓の橋」で尾根幹線を越え、よこやまの道をかすめて稲城台病院に抜ける裏道(舗装されてるけど細さはシングルトラック並み)も発見できた! 夕闇迫る時刻にまたまた人っこ一人いない山岳地帯(丘ですがな!)を行くことになったが、以前のはるひ野〜永山逍遥時のように歩きでないだけマシか。
計画失敗ながらも、当初の目的は果たしたのである。
そこで安心したのが悪かったのか…。
●夜の若葉台ひとり旅
「ワルツの杜」や「ファインストーリア」云々というかっちょいい名前の高層団地が林立する若葉台地区。んなとこで迷うか?と言いたいが、立派に迷ってしまった。
バスで何度も通ったルートで稲城へ抜けようとしたのだが、ここでもいったん若葉台駅を出なかったのが原因で目指すバス道に出られず、ムダなアップダウンが増えた。
本来通りたかったバスルートの1本高台側の道を登りきると、あとは稲城まで延々と下り。その途中でバス道に合流した。しかしここでも南多摩駅へ出るつもりが、気づくとバス道どおり稲城駅側に降りてしまい、えらく遠回りの稲城大橋への道をたどることになった。
●遠い日の花火のような
多摩川へ近づくにつれて大きくなる「ポン、ドン、ドン、パパパパパン」という音。その正体は花火。普段は歩行者も自転車もあまり通らない稲城有料大橋も今宵ばかりは人だらけ。広い歩道に折りたたみイス持ち込んでる人も!
残念ながら私が橋上に着いてから数分で花火は終わってしまったが、今夏初の花火ライブ体験は、通勤ポタというジミな日常を一気にハレに変えてくれたのだった。