• 2006.08.27 Sunday

追悼〜39歳はやっぱり早すぎる

日曜の午後、うだうだと昼風呂に入って白髪染め。
ヘナを使うので独特の漢方薬くさい中、染まるのを待って、湯船でぼけ〜。
気づくと1時間半ぐらい経過していた。

昨日、年若い友人の葬儀から帰ってきて以来、脱力気味。
あまりにも突然の訃報だったので感情が半信半疑→残念無念→緊張多弁→脱力呆然のコースをたどっている。

昨日は妙にテンションあがりっぱなしの「緊張多弁」段階で、お別れ会の席でしゃべりまくっていた。静かに別れを惜しみたい友人もいただろうに、やたらツッコンで邪魔してしまった。ごめんよ>関係各位。

一夜明けた今日は、遅れてやってきた寂しさとやりきれなさに手一杯な感じ。

葬儀で久々に会った知り合いから「白髪増えたね」と言われ、あーあと思って染めてる私なのだが、白髪が増えるのは老化の印、老化ってのは裏返せば生きてる証。

39歳の若さで年を取ることをやめてしまった彼女は、もう白髪に悩まされることもない。急性白血病で入院して2週間足らず、病にやつれることもなく、彼女は本当に美しいまま、あっちの世界へ行ってしまった。

数年前、白髪染めにはヘアマニキュアがいいか染毛がいいか、彼女と話したことがあったな。藤原紀香に似た美貌の彼女は、ヘアマニキュアがよいのよ、と主張していた。

そんな、どうでもいい話をなぜ覚えているんだろう。
日常的な1日1日は、そういうどうでもいいことの積み重ねで成り立っているわけだから。
非日常に行ってしまった彼女を思い出すとき、そんな小さなあれこれが急に意味を持ち始める。

人一倍いや100倍ぐらいアクティブで、手帳は毎日予定で埋まっていないとイヤ、という人だった。
「週末に予定なくて家でぼけっと過ごす?えーありえなーい」
ホントにそう言われたことあるもん。
料理も掃除も仕事も何でも、たったと手早かった。

「短かったけど人の何倍も楽しんで充実した人生だったよね、きっと」と言って、後に残された人たちは納得しようとする。
でもそれは詭弁だ。
むっちゃトロくさくて無精な私だって、きっと今死んだら、こう言われるだろう。
「結婚も2回したんだし、きっと人の2倍は濃い人生だったよね」。

それはある意味当たっているけど、やっぱり「おいおい、それだけで済ませないでくれよー」というキモチはどこかにある。きっと彼女も「まだまだやりたいこといーっぱいあったわよ」と、どこかでスネてるかもね。

彼女のことを思って、あちこちでいろんな人が、空を見上げたり、パソコンに向かったり、本を読む手を止めたりしながら、今もため息をついているに違いない。ため息の数は時が経つにつれ少なくはなっていくけど、決してゼロにはならない。

コドモは残さなかった彼女だけど、元気で華やかで活動的で、いろんな世界を持っていて、人と人をつなぐ「ハブ」のような存在だった彼女のまわりには、たくさんの人の輪が残った。その輪が続く限り、ため息はゼロにならず、彼女が生きたという証拠はきっちりと記憶され、良好に保存される。大停電になってサーバーがクラッシュしても、人の中のアナログメモリが壊れることはない。

茶色く染まった(元)白髪をぼんやりいじりながら、そんなことを考えていると、もう夜だ。。
生きている私たちはまた1日分、老いていき、ため息をつきながらも仕事に戻って、何てことない普通という貴重な1日を過ごすんだな。

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