• 2006.02.08 Wednesday

食塩水で桜一輪

首都圏の中学受験ピークは2/1からの数日間。家庭によっては1月中の入試(主に千葉、埼玉)を「慣れるため」だけに受けたりするそうだが、我が家はそんな余裕もなく、いきなり本番となった。

1日目、のっちが「受かっても行かないよー」なんて言っていた女子校にあれれ?で落ちた。いちおう安全圏だったのだが、時間配分がうまくいかずケアレルミスも多発の模様。朝からじとじと雨だったし、山手線は15分ぐらい遅れたし、なんか気分も晴れなかったし…。

昨今は当日夕方にホームページ上で合格発表する。朝早くに受験に行き、帰ってきてほっとする間もなくそわそわと発表待ち。で、番号がない! まあ、いいやん、どうせ行かないつもりだったんでしょ、と慰めるが、予想に反して本人ヘコんでおる。うーん悔しいらしい。念のために願書を出しておいた同じ女子校の3回目の試験(2/5)でリベンジすると言う。ここは2回受けても受験料がオトクだったので一応出しておいたのが奏功。リベンジを決意するとケロリンと気を取り直し、心は翌日の第1志望へ。当日発表ってのは、この気持ちの切り替えがけっこう大変なのだ。

2日目、ここだけ面接があるので、のっちはおめかしする(親の面接はない、ほっ)。お洒落するだけでのっちは満足し、ウレシイらしい。ああ単純。嬉しそうに試験会場に入って行き、にこにこ顔で出てきて「あー楽しかった!」。で、出来は?「あー、たぶん無理。奇跡起こらないと無理。でも楽しかったんだよー」。はいはい、受験を楽しめてよかったです、ほんと。昨日ヘコんでいたのはどこの誰だ? 結果、奇跡は起こらず。うららかな晴天も味方にはならないか。

3日目。前日の第1志望校の2回目にも願書を出してあったのだが募集人員が少なく狭き門。2科目受験は、より厳しいことをこの2日間で思い知ったので、本人了解のもと、もう1校願書を出してあった第2志望校を受けることにした。ここも「プロテスタント系共学」というのっちの希望通りだが安全圏には程遠いため、本来なら「第2志望」とは言うのはおこがましい。

遠いので暗いうちに家を出る。暗いよー、おなかすいたよー、の声を無視し、とりあえず最寄り駅に急いで7時到着。近くのジョナサンで朝食を取ることに。

案内された席の隣では、女子大生風の2人がすやすやと就寝中。あら徹夜明けですね…。隣でかしましく朝ごはんを食べる私たち家族3名のせいなのか、ひとりが起き出す。そして、なぜか「予習シリーズ5年(講師用)」を取り出して読んでいるではないか! これは進学塾・四谷大塚作成の有名な中学受験問題集で、他の塾でも多く使われている。ジョナサンを出るとき「塾の先生やってるんですか?」と声かけてみたら、当たりでした。うちのコもその本でお世話になりました、と妙な会話を交わしてサヨナラ〜。

のっちは朝定食のごはんを残すのはイヤと、ふうふう言いつつ全部平らげた。そんなに食べて腹痛になっても知らんぞーというペース。結果、時間ぎりぎりに学校到着。校門には受験生の姿はもうなく、恒例の大手学習塾の応援隊だけがずらりと並んでいた。これはいつ見ても壮観。

3連チャンの受験をとりあえず終えて、よれよれと帰宅。のっちは残る2/5リベンジ用に、ちょっとだけ塾の先生に過去問対策を聞きに行くことになった。地元の塾なので自宅から徒歩5分ゆえ、こういうときはラク。今回の発表時刻は5時。「気持ち早く発表します」とのことだったがPHSで見ている限り、発表はまだだ。4時50分、塾にいたのっちから電話があって「合格してるよー!」。えー?えええ?

あわててぽんがPCをつなぎ、画面を見ると番号があった。番号を確認してなお電話口に向かって「えー、< うそー >!」と叫んだ私。後から聞くと電話の向こうで、塾の先生たちはワタシの驚き慌てぶりに爆笑していたらしい。

ぽんといっしょにのっちを迎えに行く。塾の先生にお礼を言い、なぜかあまり嬉しそうでないのっちを連れて帰る。慌てて家を出たのでマフラーも忘れ、夕方の風がサブイ。でもウレシイ。サブイ、ウレシイ、きゃはははー、よかったあー。臆面なく喜び合うぽんとワタシの横で、のっちが一番冷静だった。あー疲れたああ〜。「出社しても仕事が手につかないから」と一番心配して、いっしょに3日間休みを取ってくれたぽんが一番嬉しそうだった。思えば併願校選びも全部ぽんがやってくれたのだし。合格は、ホントにそのおかげなり。ぽん、ありがとうっ! 

ワタシなんて、通勤途中にある第1志望校に願書を出しに行ったら、駅を寝過ごすわ、次の駅から慌ててタクシー乗ったら違う学校に連れて行かれ(名前は似てた、でも男子校だった!)待合室で15分待つまで気づかない…を筆頭に、まったくアホな母であった。

受かった理由:さすがに受験3日目となると、時間配分もきっちりでき、見直しもちゃんとやったらしい。苦手な算数では無理だと思った「旅人算」を潔く捨てて、唯一得意だった「食塩水の濃度」の問題に集中したそうだ。なぜか大好きで心待ちにしていた食塩水の計算が最後の日に出て、よかった。

まさに食塩水のおかげで、うちにも桜が1輪、舞い込んだわけなのだった。

Comments

合格おめでとうございます。中学受験かぁ。私も四谷大塚のテキストにお世話になりましたが、当日発熱してぜんぜんだめだめでした。でも中学時代の友達は今も続いています。良い学生生活が送れます様に。

  • ayako
  • 2006/02/08 6:47 PM

おめでとうございますー。

お久しぶりです。お元気ですか?
受験、思い出しますねー。私のときは2/1大雪で、坂(てゆーか山?)の途中にある学校までたどり着くのが一苦労だった思い出があります。生涯一度の必死になって勉強した時期でした。合格したことに満足した私は、その後大学卒業までテキトーな勉強で乗り切りましたとさ。そしていまとっても後悔しています・・・。

ともあれおめでとー!

  • まりこ
  • 2006/02/08 7:12 PM

旅人算って何だっけ..... って↓コレか。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%85%E4%BA%BA%E7%AE%97

確かに、コレ、ニガテな子が多いですね。

ワタシの時は、田舎出身なもんで、中学校を受験ってのはあんまりなかったですね。中学受験なんてするのは一部の人だけでした。こっちは中学も受験するのは普通なんですか?

何にしろ、おめでとうございます。

  • tosh
  • 2006/02/08 8:01 PM

娘さん、合格おめでとうございます!
中学受験って、かなり大変ですよね。

今頃合格の美酒に酔ってるのかな?
トラビールで乾杯だ!

  • yopi
  • 2006/02/09 1:25 AM

おめでとうございます(^^)
そしてmidora姉さん、お疲れ様でした!

のっちちゃん本人が一番冷静ってのがいいですね!
きっと新しい学校生活への不安と期待とが入り混じっちゃっているのかな。

んで、旅人算ってなんでしたっけ?
って、toshさんのリンク見ても理解できないし。。。
食塩水の濃度??
なんだなんだ?
全く解りません。

私も中学は地元の中学に行くのが当たり前だったなー。
時代か?地域か?


  • kira
  • 2006/02/09 1:27 AM

高校のときmolとかなんだとか、さっぱりチンプンカンプンだったEzでございます。

じつは付属高校だったので、数3とか化学2とか物理2までやったりしてました。が、先生はお見通しで「どうせ君たちは訳わかんないだろうから、原始表まる覚えしなさい。それテストに出すから」と...

そんなことはどうでもよくって、お嬢さん、おめでとうございました。努力の甲斐がありましたね。

これでMidoraさんも引越しの準備に取り掛かれますね。

  • Ez
  • 2006/02/09 8:02 PM

おめでとうございます!
いや〜、お疲れ様でした!ほんと!よかったですね!
思い出すなぁ〜、1年前。

おめでとうございます。去年我が家も同じ境遇でした。受験って大変な事ですよね。
なにはともあれ、しばらくごゆっくりとしてください。

おめでとうございます。

我が家では中学受験をするとは思えないのですが、そうでなくともあと4年で食塩水の計算とか、旅人算が出来るようになるとはとても思えません。

  • nsima
  • 2006/02/10 10:44 AM

みなさま、温かいお言葉をたくさんいただき、ありがとうございます。たった9ヵ月の受験準備で「まさか」の合格だったので、いまだに「まさか」な気分の母midoraでございます。

☆ayakoさん
受験組でしたか! 四谷大塚のテキストって、さすがに私の頃はなかったですなあ(私もいちおう関西の女子中・高育ち)。あの頃はクラスで受けるコも少数で、勉強っていっても母が「自由自在」と首っ引きで小6の夏休み以降に算数を教えてくれただけー。そんな時代でした。のっちにも中高6年で、いい友達を作ってもらいたいですねー。。

☆まりこさん
受験日に大雪! それだけはカンベンしてほしいですよね。
>そしていまとっても後悔しています・・・。
受験だけが勉強じゃないって!人生いつまでもベンキョーだあ(&息抜きも大切^^;)


☆toshさん
>旅人算って何だっけ..... って↓コレか。
あー、私に聞かないでー!算数はすべてぽんにお任せの母でしたから。
何を隠そう、わたしゃ自分の中学受験時も、算数は合格点以下だったそーですよ。社会が満点だったので何とか入れてもらえたとか(母が入学後の保護者会で言われたそーだ。小学生から新聞やら週刊朝日を読む子だったので社会は得意だったらしい)。そのDNAをしっかり受け継いだ娘はもちろん算数嫌いです(笑。

>こっちは中学も受験するのは普通なんですか?
今年は公立の中高一貫校も続々とできて、中学受験が一種ブーム?なようです。娘のクラスでは2/1、40人のクラス中16人が受験で欠席したとか…。すごい確率だ。。

☆yopiさん
>中学受験って、かなり大変ですよね。
はい、大変でした(親が)。でも直前の勉強もほとんど私みてないし(つれあいにお任せ…)。「仕事と娘の受験とどっちが大事なのっ」と、つれあいに責められました(泣。

虎ビールは…、あっ、会社にまだ在庫あるかもっ!よいことを思い出させてくれて
さんきゅー。

☆kiraさん
ご無沙汰どす!
>きっと新しい学校生活への不安と期待とが入り混じっちゃっているのかな。
ちょっとね、不安はあるみたいです。そこを何とかするのが母の役目なのだが、相変わらず忙しくて放置状態。娘よ、強く生きてくれーい。

でもって、旅人算も食塩水の濃度も、私もわからんちんなのよー!(受験生の母とは思えん)。
純理系のぽんは「(算数が)なんでわからないのかが、わからない」とのたまうが、わからんもんはわからんのだー!!

☆Ezさん
>molとかなんだとか、さっぱりチンプンカンプン
私もmolでつまずいたクチです!!molが出てくるまでは化学I好きだったのにぃ。

>数3とか化学2とか物理2
うわあ、聞いただけで卒倒しそうな科目名。ビビります。

>引越しの準備に取り掛かれますね。
その前に会社の引越し&オープニングイベント、んで自宅引越し、すぐ入学式…。頭イタイです。

☆cherioさん
>思い出すなぁ〜、1年前。
町田ポタの直前に、お嬢様15の春!だったのでしたよね。その後、高校生活は順調ですか?

☆Wonder 3さん
>去年我が家も同じ境遇でした。
そうでしたか! うちは受験勉強の期間が短かったので、娘はずっと変わらず小学校生活を楽しんでます。体調いまいちだった受験前日も結局、学校は休まず塾を休んだぐらいのガッコ好き。ほっとして気が抜けてるのは親だけ、みたい…。

☆nsimaさん
>あと4年で食塩水の計算とか、旅人算が出来るようになるとはとても思えません。
ワタシ大人ですけど、どっちの計算もできません(笑。

うちのほうは、私学もほとんどなく塾にも行かせていません.
うちの娘はどうなるんでしょうね.(もうすぐ中2ですが)
ここらへんだと、山は高校受験と大学受験です.
本人が大学へは行きたがっていないんですけど。

まあ、無理させてもなって気持ちもあるんですけどね.

☆mcberryさん
本人の気持ちが一番大事ですよね。親が強制して勉強させても、そのときだけ…っていう気がします。
コドモはそれなりに考えてる…と思いますよ。

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